立ち読み Shinkosha Book Web 新講社

「一人っ子長女」の父母の本
多湖 輝
ISBN:4-86081-086-4 C0095
発行年: 2005年9月1日
定価: 1,365円(税込)

第1章◎一人っ子の子育ては楽か大変か?
 お母さんにとって一人っ子長女を育てることは、初めての子育てになります。
 初めての経験ばかりで、おっかなびっくりの毎日かもしれません。
 また、二人目をどうするか、悩んでおられるお母さんも多いでしょう。
 それなのに、一人っ子長女のお母さんは、「楽」をしていると思われる傾向があるようです。
 あるお母さんはこう言っていました。
「一人っ子だと、どうしてもPTAの役員など頼まれやすいですね。子どもが一人なんだから、その分、余裕があるはずだと思われてしまうんです。そのうえ女の子ですから、おとなしくして手がかからないだろうという先入観もあるんでしょう」
 男の子と女の子を単純に比べてみると、やはり男の子のほうがやんちゃで乱暴だったりします。女の子のほうがおとなしい、聞き分けがよい、お母さんのお手伝いをよくするなどの理由で育てやすいと思われてしまうのでしょう。
 このような世間の目と現実のギャップは、一人っ子長女のお母さんに特有のご苦労になっていると思われます。
 なぜなら、一人っ子長女の子育ては楽という先入観は、問題のない「いい子」であって当たり前、その枠からはずれる子どもは、お母さんの育て方が悪いと言わんばかりの無言の圧力になりがちです。
 また、子どもを一人しか育てていない母親は、子育て体験が少ない分、親として未熟であるかのような評価も受けてしまいます。
 そんな抑圧をはねのけようと、一人っ子長女のお母さんは、子育てにことさら気をつかっていないでしょうか。公園で遊ばせる時も、近所に出かける時も、幼稚園や習い事の場でも、わが子が「いい子」の枠からはみ出ないようにと、気にしすぎているかもしれません。
 あるいは周囲のお母さんの、やっかみや嫉妬を避けるため、必要以上に謙遜したり、生活が贅沢と思われないように気を使っているかもしれません。
 一人っ子長女のお母さんの一所懸命さが周囲に理解されず、「楽している」と思われるのはつらいことでしょう。
 苦労やストレスは、一緒に共感してくれる人がいるだけで軽減します。けれど、一人で抱え込んでしまっては、育児が日々の苦痛になってしまいます。
 ほんとうは、子育てほど楽しく喜ばしいものはないのです。
 以下、一人っ子長女のお母さんが陥りやすい悩みや、一人っ子長女にありがちな欠点≠上手に乗り越えて、子育てを楽しむにはどうすればいいかを書いていきます。

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