立ち読み Shinkosha Book Web 新講社

「仕事のプロ」といわれる人はここが違う
中川昌彦
ISBN: 4-915872-48-3  C0095
発行年: 2000年4月19日
定価: 1,300円(税込)


第1章 これから「仕事のプロ」をめざす人へ
     最低限知っておきたい[基本17項]

1 ほんもののプロとはどんな人?

 「プロフェッショナル」(Professional)、略して「プロ」。日本語では「専門家」ということになる。
 耳にタコができるくらいおなじみになった言葉である。
 プロでない人は、「アマチュア」か「アマ」。その中間、厳密にはそれよりプロ側に近いポジションにある人は、「セミプロ」だ。
 たとえば、「あの人のゴルフはセミプロ級だよ」という。アマチュアの中ではとび抜けている、相当にスゴいというニュアンスがこめられている。
 われわれは、プロを形容するのにさしあたり、この「凄い」といったキーワードを使う。「プロとは専門家のことである」といっても、今一つピンとくるものがない。それより「彼は320ヤードも飛ばす」、「スゴイな、プロだね」のほうが、直観的にわかる。
 プロとはその道でスゴい人、つまり一流の人間である──これで直観的なイメージはつかめる。
 さらに考えてみよう。プロは仕事で生計を立てている。お金の問題は無視できない。
 だが、仕事で金をとれるかとれないかは、とりあえず絶対条件からはずそう。それだと年収1千万円以上の銀行員は、全員プロになってしまう。
 稼ぐか稼がないかでは、プロかどうかは必ずしもはかれない。だから、二流プロの音楽家・ロッシーニが財をなし、超一流プロのベートーヴェンが貧窮にあえぐといったことが、ザラにある。
 現在でも、たとえば、華やかに見えるプロゴルファーの半数以上が、レッスンで教えなければ食べていけない状況にある。
 とすれば、やはり仕事に即してプロの本質を把握する必要がある。プロは仕事ができるし、まず例外なく自分の仕事に誇りをもっている。そこでこれを定義しておこう。プロとは、「仕事に誇りをもち、一流の凄い仕事をする人たち」である。
 この定義を基準にすれば、プロとアマをはっきり区別することができる。
 たとえば、世の中にはずいぶん多くのプロと称される人がいるが、そういう肩書きや見かけに惑わされることがなくなる。
 逆に、見かけが平凡だったり、パッとしなかったりしても、仕事に関し誇りをもち、凄く、一流であれば、立派なプロということになる。
 プロは在職年数の問題でもない。高速でプロになれる人もいれば、10年、20年同じ仕事を続けてもアマどまりの人もいる。年季より仕事の質、中身が大切ということだ。
 管理者、正社員、パートタイマーといった区別もあまり意味がなくなる。極端な話、ベテラン管理者の中にも頼りにならないアマチュア並みの人がいるし、プロと呼んでいいパート従業員もいる。
 したがってわれわれはあくまで、自分の仕事に誇りをもてるプロ、一流で凄い仕事のできるプロになることをめざしたい。

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