立ち読み Shinkosha Book Web 新講社

今も心に残る「しつけの一言」
多湖 輝
ISBN: 4-915872-82-3 C0095
発行年: 2002年3月23日
定価: 1,365円(税込)


まえがき

 海外に出ると、多くの外国人が日本人の礼儀正しさ、日本の街・道路の美しさを讃えてくれます。日本人としてうれしい限りですが、最近の日本を見ていると手放しでは喜べない事態を随所で目にします。
 マナーとか礼儀はどこかに行ってしまい、ところ構わずゴミを捨てるから街が薄汚れてきています。
 こんな光景を見ていると日本人全体が品下ってしまったのではないか、そして日本という国の“質”そのものが低下しているのではないかと思わざるをえません。
 子どもたちの「しつけ」も眉をしかめたくなる場面があります。それどころか子どもたちがとらえどころのない、わけのわからない“存在”になりつつあるようにさえ思います。「しつけ」は死語になったのでしょうか。
 元をただせば子どもたちをしつけなければならない大人自身が、利に走り、わが名を汚すようなことを平気でする傾向があります。企業モラルを疑わざるをえない事件も枚挙にいとまがありません。これでは、子どものしつけが怪しくなるのは、当然のことといえそうです。「しつけ方」がわからなくなった大人と「しつけ」を教わらない子どもたちの国──それが今の日本なのでしょうか。
 「しつけ」とは元々、日本人の心映えでした。清々しい心の反映として「しつけ」の数々があったのです。そしてかつての日本人は、学歴や貧富に関係なく、大人はごく自然に子どもにそれを伝えていました。
 子どもの頃、父や母が口を酸っぱくして言ったたくさんの「一言」があります。何気ない日常語ですが、その中に「しつけ」とその元になる「日本人の美質」がいっぱい詰まっていました。
 とりあえず、そんな「一言」を思い出してみようではありませんか。そしてそこにこめられた生きることの含蓄を改めて感じ直してみたい。そんな思いでこの本をまとめてみました。
 しつけ方がわからなくなった大人に読んでほしいし、子どもたちにも読んでほしい。そして、日本が再び晴々として住みやすい国になればと願っております。


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